私はホントウの事しか話さない。

…珍しいわね。
どういうつもり？
あなたが自分から体を明け渡すなんて。

もちろん今日だけですよ。
今日は4月１日、エイプリルフール。
今日くらいは嘘つきのあなたに花を持たせてあげようかなと。

あぁあ、四月馬鹿ね。
それにしても“嘘つき”とは失礼しちゃうわ。
私の悪戯をそんなつまらない言葉に置き換えないでもらいたいわ。

だいたい、「嘘をついても良いですよ」…なんて言われて
この私が素直に嘘をつく訳がないじゃない。



嘘だけど❤
さぁて、何から始めようかしら。

お裾わけ

あぁ そうそう、
この間作ったいちごジャムは
ちゃんとラークちゃんに届けてくれましたか？

うん、喜んでたよ～♪
一緒に焼いたパンケーキもねっ

そうですか、それはそれは。



でもしろ姉さんの作戦は失敗ね。
ジャムばっかで食べ過ぎないように
ジャムを塗るためのケーキを一緒に持って行ったのに、
あんなに塗りたくってちゃ大して変わらないわ。

あら。
まぁ、何はともあれ、喜んでもらえたようで良かったです。

そもそもあげる量を減らせばよかったんじゃない？

そんな、
折角おいしいいちごなのに勿体ない！

でもいくら長持ちだからってあんなにはなぁ…
ラークはあたしたちみたく体の大きさ 自由に変えられないんだから。

そ…そうですか？




































ま、ラークが普段のペースで食べたら
食べきっちゃいそうな気もしなくもないけど。

まったく もう…

あれ？
しろ姉さん、髪型戻しちゃったの？
せっかくイイ感じだったのにぃ

ほっ、本当ですか?!
黒やトパスには随分不評だったので不安だったのですが…

そぉ？
あたしは綺麗だと思ったよ？

よかった…
ありがとう、ルビー。
トパスにはキノコの帽子みたいだなんて言われてしまって…

…キノコかぁ…あぁ、確かに見えなくも…

どうしました、ルビー？

え？ あ…ううん、何でもないないっ

そういえばルビーは髪を伸ばしたりしないんですか？

う～ん…
あたしって、全っ然ロング似合わないんだよねー
しろ姉さんやアメシーみたく髪伸ばして、大人っぽくしてみたいとも思うんだけどさ。

エメレアやセフィアみたいに結ってみるのは？
可愛らしいと思うんですけどねぇ

え～
それだとあんまし大人っぽくなくない？

そんな、無理に大人ぶらなくても。

だって、あたし子供っぽすぎるんだもん～
エメレアは落ち着いてて、大人～って感じだし

大人としてはちょっと不安なくらい落ち着き過ぎですけど…

セフィーなんて、あの胸！
羨ましすぎるっ

・・・それは…私もそんなになので何とも…

それだけあれば充分よぉっ

ルビー？
ルビーも充分可愛いのですから、それを生かせるような…

そうよ、だからこうやってショートにしてるんじゃない。

あぁ…そうですね。
あ、いえ…そうではなくて、
大人というもののとらえ方のお話です。
大人になりたいと言うのならば、なおさら外側の見た目に縛られてはいけません。
大人になるというのは“大人”という違う生き物になるわけじゃないのですから、
ルビーはルビーとして成長していくことが大事なんですよ？

（…しまった、しろ姉さんの真面目モードのスイッチが…）

聞いていますか、ルビー？

あ、ハイっ
（地雷的にスイッチがどこにあるかわかんないんだよなぁ…）

ですから、外見をそれらしく見せようとするよりまず内面から…

あ…でも、しろ姉さん？

何ですか？

…やっぱり胸は欲しい…です。

ルビーっ?!!

ひゃあぁぁあ^あっ?!

…落ち着かない

キノコ…?!

そういや 姉ちゃん、
その頭どうしたんだ？

あ、トパスも気づいてくれましたか♪
どうですか？
こういう髪型もなかなか良…

そうそれ。
そのキノコみたいな帽子。

…っ?!!

…き…きの…？

オレそういうの疎いから分かんねぇけど、
姉ちゃんせっかく綺麗な髪してんだから
帽子とかで隠さずに出した方が良いと思うぜ？

…いえ…これは髪…

あそっか、さっきまでジャム作ってたから、
それで髪をきのこ帽子の中にしまってんのか。

・・・・きのこ・・・

あれ？ 姉ちゃん？

・・・・きの…こ…？

お～い、姉ちゃん？ どうした～？

お～い？